手紙

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poemblogへようこそ。ご訪問くださり、ありがとうございます。今回は、詩8篇となります。ご覧になって何かを感じていただければ、とても嬉しく思います。さまざまな事象をモチーフにして、書いています。つたない詩の作品ばかりですが、どうぞよろしくお願いいたします。あなたの心に届きますように。【8回目の投稿】

手紙a

手紙を送りました
あなたには知らせていない
仕掛けが施してあります
あなたに何かあったなら
昼は太陽が
夜は月が知らせてくれるという仕掛けです

何かあったらというのは
暗がりのなかで
探し求めていた光と
自分を見失った時
そして堪え難い苦しみや悲しみに襲われ
生きることがしんどくなった時

私は光の矢となって
あなたのもとへ飛んでいきます
あなたはあなたひとりではありません
私も私ひとりではありません

手紙b

あなたへの思いを手紙にしました
どきどきしながら
震える手で手紙を投函しました

錯覚かな
錯覚だよ
でも
ポストがニコッとしています

あの人が手紙を読んでどう思うのか
嫌われるのではないか
どきどきが止まりません

それから十日後のこと
あの人から返事が届いたのです
花柄がついた可愛い封筒でした

錯覚かな
錯覚だよ
でも
郵便受がニコッとしていました

おそるおそる手紙を封を開けました
私はあの人からの手紙を読むより先に
涙がこぼれました
あの人に私の手紙に認めた思いが
通じていたのです

手紙c

手紙の返事が来ないのです
まもなく一月が経とうとしています
郵便配達員のバイクの音がするたびに
どきどきします
でも心の準備もしています
沈黙の郵便受
空はコンクリートの打ちっぱなし
心に宿った暗雲はもう棲みついたままです
あの日の喜びと安らぎは
遠くに去ってしまいました
いっそのこと
嵐が来てくれることを望んでいます

置き手紙-「詩」

君は
日常生活や仕事のことで
忙しいだろうから

淋しそうにしているぼくの孤独を
連れて旅に出ることにした
しばらくは戻らないつもり 
あちこちを歩いてみる

君は休日のプランを考えておいた方がいい
旅先からの手紙
気持ち次第で書くかもしれないが
でも書かないかもしれない

ぼくが戻ってから
すぐには旅のことはきかないでほしい
胸底に置いてある
言葉を引き出そうとすれば
壊れちゃうから きっと

それより君はぼくのことなど
即座に忘れるかもしれない
ぼくは口下手だし筆不精だし
それに上手に説明もできない

君はこれまで数々の難問を解決してきた
頭脳は明晰だし回転も速い
ぼくの失敗まで君は擁護してくれたね

泣き言を伝えるために
書いているわけではないけれど
整理整頓のできなかった感情で
埋め尽くしてしまった
この置手紙

あらゆる局面で
整理整頓と格闘してきたし
これからもそうだ きっと

旅を楽しませるため
日常生活とは結びつけない
ある種
原始的な感動を味わいたいのです

物語の主人公が心を震わせるような
光景を観ることができたなら
旅を早めに終えて
歓喜と痛快を
君への土産にして戻るだろう

日常生活そのものの光景ばかりだと
まだ戻れそうにない
ごまかしは利かないからね
旅先から
無理に引き出すこともない

長々と書いてしまった
遠い旅先で
君の知らない未来を
僕がつかもうとしているから
未来を書き換えたいのだから

静かな

静かな夜の
静かな土地で
静かな星を
静かな心が眺めている

静かな心の
静かな涙が
静かな音で
静かな土地に落ちた

静かな瞳は
静かな夜の
静かな星になり
静かな風が吹いた

静かな命が
静かな星の
静かな寝床で
静かな終りを迎える

能力

財を築く力も素晴らしいだろう
未来を予測できる力も
素晴らしいだろう
人の心を見抜く力も
素晴らしいに違いない
だけれども
自分自身を
歪めようとする欲望に対する執着を
打ち破る力こそ素晴らしいのだ
そこには自分自身を完成させようとする
絶え間なき努力がある

悪い癖

適切なアドバイスをしてくれた
私の悪い癖を直そうとして
腐心してアドバイスしてくれた
私の悪い癖がでてきたならば
あなたのアドバイスを思い出すだろう
持続力がないと
アドバイスをしてくれたあなた
そのアドバイスを覚えている限り
私は悪い癖を直せると思っている
もうすでに私は
三日坊主ではなくなっている
そうだ
このことを真っ先にあなたに伝えなくては
これも私の悪い癖

一杯の珈琲

たった一杯の珈琲に
はかりしれない
優しさがあるよ

愛しき恋人にさ 
まるで 
そっと抱かれるように

真に珈琲は
人の心までも 
豊かに優しくするのだろう

一杯の珈琲に 
奇跡があることを知った
不思議なこと

すべてを思い出し
すべてを忘れさせ
すべてを守ってくれる

珈琲の味わいに時を忘れ心も豊か
あなたの綺麗な涙も受けとめ 
静かに幸へといざなう

最後までご覧くださり、ありがとうございました。今回は「日常のあれこれ」はお休みです。
次回まで、コツコツとブログを作成してまいります。今後とも、よろしくお願いいたします。

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