PoemBlogへようこそ。日々の暮らしの中に、詩の時間はいかがですか。
みなさまの心に、やすらぎと発見のひとときをお届けいたします。
見る
接続の脈を見落とし
右を見たり左を見たり
後ろを見たりしている
行き場を失った
迷いを見ることに怯えている
そのような人は沢山いる
そのような人を沢山見る
鏡に映された顔を見て呆然とする
生気も活力も削がれた顔だ
鏡はその顔を映し出すことに
躊躇いがあった
大嵐の海に一艘の小舟が震えながら
脳裏に浮かぶ様子を見るべくして見ていた
やがてぼうっとして見るようになった
両肩の天は
正鵠を射るようにして見ている
逐一報告を挙げている
緩慢はどこか遠くへ行ったようだ
濁流を飛び越えようとしている
私の未来への意志より強くとも
飛び越える
失うものは何もない
力を振り絞り濁流を飛び越えるだけ
人生の時計を
逆戻りさせることはできない
されども時計の針の行進
これを味方にすべきだ
敗者のように見られようとも
胸底にある
不可思議な法則によって
まったく正反対の結果は生まれる
そうなる
この詩についての思いや工夫
「右を見たり左を見たり、後ろを見たりしている」という表現は、人生における決断や選択の迷い、そしてその迷いから抜け出すことへの恐れを表しました。
全体として、社会や自己に対する不安や無力感に直面し、それをどのように乗り越えるかを模索している人間の姿を意識し表現しました。
「人生の時計を逆戻りさせることはできない」という一行は、過去に囚われず、前進することが重要であるというメッセージが込めています。しかし、時計の針の行進を味方にし、進み続けることによって、たとえ敗者のように見られても最終的に正反対の結果を生むことができるというメッセージも強調したかったところです。
視覚的な表現や象徴的な言葉がなかなかうまく書けずにいましたが、私なりに内面の葛藤と決意を表現できたつもりです。
![](https://poem-blog.com/wp-content/uploads/2025/01/659fada67d523f7cfb34ac49ab5a1e5b-edited.webp)
昨日の太陽 今日の太陽
昨日の太陽は視力が弱かった
今日の太陽は火力が強い
長く記憶される美は
心根の優しさの基となる
苦悩にさえ見放されるとは
その瞬間より手に出来るものは何もない
取り戻すべきは力 生命の力
人工的な威厳や顛倒した支配欲ではない
貧しき人と病める人を友としている
古より愛の神の涙が
止まったことは一度もない
この詩についての思いや工夫
「昨日の太陽」と「今日の太陽」は、時の経過とともに変わるものを表しています。「昨日の太陽は視力が弱かった」とあり、これは過去の自分や過去の出来事が不確かで、はっきりと見えなかったことを示そうとしました。「今日の太陽は火力が強い」という表現は、現在の自分が力強く、明確に物事を見据える力を持っていることを示そうと考えました。
「長く記憶される美は心根の優しさの基となる」という一行には、見た目の美しさだけではなく、内面の優しさや深い理解こそが真の美であるという考えを込めました。外面的な力や威厳ではなく、他者とのつながりや共感を重視するというものを強調しました。
「古より愛の神の涙が止まったことは一度もない」という詩句は、愛は不変であることを示そうとしました。愛がすべてを包み込む力を持っていることを強調しました。
無垢な声
神殿とほど遠い処から
はっきりとしない細く聴き取りづらい声
幼子のような風にすら飛ばされ
虚構の裂け目に引きずり落される
ところが無垢な声がひとつながりとなって
個々の尊厳に対し
無関心な芝居の中止を警告する
怒りはかくも大にして
我々が呼び合っている人間性の巌となり
ついには魔性をあばきその原理を砕いた
この詩についての思いや工夫
「神殿とほど遠い処から」という冒頭のフレーズは、神聖な場所や理想的な状態からは程遠い現実の世界を表しました。また「幼子のような風にすら飛ばされ」という表現は、純粋でありながら力が弱く、社会や権力に流されてしまう存在を描きました。この「風」や「虚構の裂け目」という比喩は、社会の無情さや不正義の中で人々が見捨てられたり、無視される様子として表現しました。
この詩は、力が弱い者や声が小さい者が集まることで、社会を変える力を生み出すことができる希望を根底にして作りました。
![](https://poem-blog.com/wp-content/uploads/2025/01/2bd9ecda79b88528800b5c80e3399ed8-edited.webp)
ご覧いただき、誠にありがとうございます。今回は3編の詩です。どのような感想をお持ちでしょうか?少しでもみなさまの心にお届けできていたなら、とても嬉しく思います。みなさまのご感想やご意見が、次回の詩の励みとなります。(ブログ画面の下部に、コメントできるフォームがあります。)これからも詩作に励んでまいります。引き続き、どうぞよろしくお願いいたします。
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