poemblogへようこそ。ご訪問くださり、ありがとうございます。さて今回は、詩14篇となります。ご覧になって何かを感じていただければ、とても嬉しく思います。さまざまな事象をモチーフにして書いています。今回も12年ほど前の詩の作品です。原文のまま投稿いたしました。よろしくお願いいたします。【21回目の投稿】
自立
感謝できるということ
平凡なことであるが
自立の骨格の一つを為すと
思えてならない
感謝を忘れている時の私は
人とのつながり方に対し
噛み合わなくなることがある
公平性
民の熱と力によって咲いた辛苦の花を
捥ぎ取り台無しにした者
証言台に立たされ
裁きを受けるだろうと
そうでなければ公平性はない
正義もない
やりきれない思いも残る
氷の世界
ダンテが『神曲』で描かれた地獄のラスト
古代ローマの詩人と旅した最後の円に
あの人物の姿を見る
氷の世界
人間に反逆し人間を裏切ったがゆえに
独善の極みというべきなのだろう
詩人
私たちの人生劇場における
苦闘に打ち勝って
はじめて
詩人の言葉は
詩になるかもしれない
詩人は
詩を作れるかもしれない
自戒を込めて
わが身を振り返る
理念
あなたの理念ってなにと問われた
単なる楽しみだけを追求するのなら
それだけだとなんにも残らない気がする
一時の楽しみしかない人生を
過ごすことになりかねないし
そればかり追い求めることになる
理念といっても
身近なことでいい
源の精神
紙幣を
大きな森の落ち葉の数ほど
集めたとしても歓迎はしません
まったく不要です
むしろ邪魔です
不思議かもしれませんが
人間の力は
まったくそんな世界ではないのです
上品でなくてもいいのです
不器用だってかまわないのです
より高めさせてくれるものは
その奥底にある
営み
その源の精神
尊厳
夜空いっぱいの星
きれい
どこもかしこも
東も
西も
南も
北も
きっと
地上の反対側も
光っている
微妙な光もある
強い光もある
宇宙の尊厳を表しているよう
人の尊厳
生命の尊厳
ダイヤモンドなんていらない
この星の尊厳
無償の輝き
心を柔らげてくれるもの
心を柔らげてくれるもの
それは
愛する人の心より
それ以外に
私の心を柔らげてくれるものはない
リボンのついたものを差し出されても
楽園のようなところに案内してくれても
あなたの心さえ私に感じられたなら
それで柔らぐ
そして暗い夢からも解放される
広い大地を駆け出すことができる
奇跡の解決を
望んでいるわけではないのです
恵まれた土地に
住みたいわけではないのです
どんなことでも
私の心には影さえ生まれません
晴れた日にも
曇った日にも
私を取り戻し
私の心を柔らげるのは
あなたが発した心だけ
ピタ ピタ ピタ
怪物の握力で締めたはずの
水道の蛇口から
ピタ ピタ ピタと水滴の落ちる音
否定された部屋に反響する音
巧みに通り抜けてくる
足のない生き物
世界を縮めながら近づいてくる
顔のない生き物
深海の片隅に横たわっている
私の生存確認のためだけに
無限の孤独な輩に相応しい
絶望の予言を静かに分断し思う
論理が非人間性であることを
未来太陽の炎を先取りして深海を灯す
業績は宇宙の星とは成れず
水が出てきたのは
柔らかな蛇口を右手でひねってのこと
安穏が漂いはじめた深海に
湯を沸かしてほどなく
私の想像力は境界を越える
成長の刻印として
愛する人の健康を祈る
葉っぱの旗を掲げた軍営にて
ひとつの望み
ひとつの望み
苦と楽の交差の越しかた
わが 歩み 久しく
汚れなき身
いのちの光明 浴びむ
命
瞬間の中の永遠
永遠の中の瞬間
瞬間にして永遠なる
命の律動
命の瞬間
命の永遠
私の望み
あなたの気持ちがわからなくなりました
愛されたい気持ちはあるのに
あなたに愛されたい気持ちは
この胸にあるのに
心に染み込んで赤く染まりたいのです
あなたの光につつまれて胸に顔をうずめて
宇宙の一番綺麗な星を眺めるより
私の胸を満たすのです
それが私の望みです
土台の脆弱な建造物に
富める国より装飾品を取り寄せて
部屋中に飾り立てても
何の意味のないこと
私の目も心も惑わす 身も凍らせる
醜い形となって現れる
気むずかしい心
長い苦しみのあとに
長い愛が続くのでしょうか
偽りなき愛が
真実の愛を導くのですね
愛の戦いに負けないように
嫌だ
悲観主義が楽観主義に向けて
詩を書こうとしている
最寄りの駅まで散歩し
冬の景色を吸収した
噛み合わない鎮静に
わずかな悲哀の余韻がある
嫌だ
私は嫌だ
合わせなくてはならない調子
臭い
未来は臭い
求められる立場が落下
怖い
表現は怖い 初めて接触した感情を再現する
叫ぶ
外側に向かって叫びました
次に
内側に向かって叫びました
これをもう一度だけ繰り返しました
一回目の外側に向かって叫んだ叫びに
応えるため
一回目の内側に向かって叫んだ叫びに
応えるため
大空の耳にも届いた
太陽は光で反応した
これでいいんだ
よくやった よくやった
これで息もできる
四度叫んだ叫び
それぞれがどこに行っても
元気でいてほしい
私は叫ぶのが好きになる時がある
【編集後記】21回目投稿となりました。今回も12年ほど前の作品ばかりです。手直ししたい箇所がありましたが、あえて原文のままを投稿いたしました。お読みくださってありがたく思っております。今回から写真の投稿を少し減らしました。
もう本当に今年もあとわずかです。皆さまにとって、来る2025年がより良き年となりますよう心からお祈り申し上げます。
今後も、更新速度はゆっくりでと思いますが、またご覧いただければ嬉しく思います。よろしくお願いいたします。
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